走りと空間

 今日のジョギングはなぜか全然ダメだった。たしかに最近睡眠があまり上手くいっておらず、11時から3時と5時から8時みたいな二本立てになっている。そのせいか走りだしたときから異常に筋肉に疲労があり、1,2キロ走っては休んでだらだらやってたら5キロくらい来てしまい、のんびり戻っている。

 ジョギングを始めてもうけっこう経つんだけど、これまで日常的に走ることが無かったので、日常的に走るようになったのだから身近なスケールの感覚の変化を期待していた。しかし現実はそう甘くはなく、期待していた寸法感覚の変化はほぼ無かった、むしろキロメートル間隔の広域のスケール感が生まれ、都市空間へ認識が変容したのを感じる。

 よく、自転車に乗るようになった小学生時代に地域あるいは都市の概念が発生した、というようなことを書く人がいる。自分は自転車に乗れるようになった前後で転居を経験しているので、そういう変化は地域そのものの移動に隠れてしまっているのだけど、そういう変化ではない感覚の変容があった。

 これまでは記号的というか、3次元の地図にランドマーク(主観的な特徴物を全て含む、目立った建築物などに限らない)が浮遊しているような状態だったが、今はむしろそれらの記号が再定着されて3次元的な地図の情報と記号的な場所のイメージが輻輳し、シチュアシオニストの地図がよくわかる感じになってきた。そう考えるとポストモダンからモダニズムへの退行なのかもしれないし、リアリズムへの転落とも言える。まあそんなことは本当はどうだって良くて、実践を続けなければいけないというだけなのだ。