統合失調の都市表象

昨夜は『マシニスト』をみた。だいたいホラーだと思うけれども猛烈な親近感を覚えた気もする。ネタバレします?二日坊主です。

不眠と統合失調を描いた映画だけど正直微妙だった、レビューだとかなり先が読めて面白くないみたいなこと書かれてるけど、たしかに先は読めるんだけど何個か裏切るような捨ての伏線があったのに驚く、しかしそれもさしてプロットの中で重要な役割を果たさないので少し微妙だと思う。魚の頭とか。悪いところは沢山あるしKINENOTEの評価が悪いのでまああんま人気ないんだろうなと思う。

 

いいと思ったところは設定がなんとなく抽象的なところで、寒いんだか暑いんだからよくわかんないし政治家や地名もないし主人公スラブ系の名前でアメリカ的な市民構成で英語話すしでもアジア系は出てこなくてアイコン的な場所も工場と空港のカフェと交差点横に見える給水塔とかろうじて謎の山道が重要なだけで、それ以外は全体を映すことがない。携帯電話も出てこないし、何より15年前の映画だというのに気づいてなかなか面白かった。そういえば小島信夫『島』も抽象的だったな、時代はだいたい決まってしまうけども、、、

 

というか『シャッターアイランド』と『ファイトクラブ』と題材が一緒なので驚きがないみたいなレビュー多いけど普通に『ファイトクラブ』で驚いたかな???覚えてません。てか『シャッターアイランド』も抽象的だったな、『ファイトクラブ』はそんなにだった気がするけど、つまり不眠や統合失調を描くときに地名やシンボル的な場所など社会的な象徴が後退して個人的な執着がデカくなってくる、ということなんだろうか。好意的に解釈すれば『マシニスト』ではその執着がダイレクトに何かの象徴誘導になるのをわざとらしくなりすぎないように多少意識的に避けたとも言える。中途半端だと言ってしまえばそれまでなんだけど、でも轢き逃げの記憶が人殺しを経由して最終的に血塗れの魚の頭で出てくるとか周りくどいけど現実はそんなもんだと思う。現実ってなんですか?????????