涙のコメディみた
涙のコメディみた
トリエステの市街地のアパートに住む半身不随の老人と、その家政婦の話だったけどどこにも涙もコメディもありません。
老人は一家でリンゴ農家をやっていたが、息子がボスニアに食料や衣服を支援したことに納得できず一人家出したらしい。
リンゴと自分の捨てた家族、害虫と移民、など単純な寓意による老人の排外思想がわかりやすく伺える。イダのボスニア語読みがアイダなのかとか自分の無教養によって想像しすぎてるのかわからんけど、まあまあ伏線が回収される快感もなくはない。涙もコメディも出てきませんが。
あと街路が死ぬほど荒れてるのに天気がずっと良いのはめっちゃイタリア的だなとか思う。老人は本当に田舎者なのでナショナリティに内面を支配されまくった偏屈な老人なんだけど、市街地に住んでるかどうかと田舎者というメンタリティは無関係なんだなと改めて思う。
話も音楽も平凡なんだけど、最後の白い蝶がなんの寓意なのかだけ比較的なんの説明もなく混乱する。多分普通に幸せの象徴とかなんだろうけど、浄化(老人の天寿)ってこともあるな。別にハッピーエンドでもなければ二人の間に和解が成立したとかいうことも全くないし。
特にこれといった感想はないんだけどKINENOTEになかったので書いた。あと当然だろうけど日本劇場未公開でAmazonが配信してる(ウラニャと同様のパターンだと思う)んだけど、Amazon基準では老人の男性器は無修正で大丈夫なことが分かる。